お客様から時々「他の方はどのくらい見学するんですか?」と聞かれることがあります。2~3件で決めてしまっていいのか、決められるものなのか。たくさん見た方がいいのか、悩んでしまうのかもしれませんね。
一般的に購入された方が内見した平均は5~10件と言われています。弊社の経験上も5件前後を見て決める方、10件前後を見て決める方が多いです。今はネットで情報収集をして物件を探す方がほとんどなので、ひと昔前より実際に見る件数は減っているように思います。 とはいえ、どれが正解ということはありませんし、人それぞれですから、あくまでも目安として見てください。内見の件数より、ご自身やご家族が納得のいく物件を購入することが大切です。
件数を多く見たからすごくいい物件が見つかるというわけでもなく、具体的に条件が絞れていて、ネットで情報を調べて十分に比較検討してから内見する方は、「コレ!」という1件を最終確認のように見て、決めるケースも意外にあります。逆に条件が絞りきれていない場合や、条件の優先順位がついていない場合は、見学するほど迷ってしまう方も少なくありません。
何件も見ていくうち、最初に見た物件がよく見えてしまったり、内見した物件の良く見えるところに引きずられて条件を変えてしまったりで、なかなか判断できなくなってしまうんですね。内見したからと言って焦って決める必要はありませんが、ご自分が良いと思う物件は他の方も同じように思う可能性が高いですし、決まった予算内ですべての条件を満たす物件もほぼありませんから、気に入ったら決断することも大切です。
内見する時は、空き家や空室の場合と居住中の場合があります。居住中の物件は売主さんがいる時に行うので、マナーや配慮が必要になります。中古マンションや中古住宅で売主さんがいる内見では、次のようなことに注意しましょう。
〇室内の様子を評価するようなことを言わない
⇒「うわぁ 散らかってる!」「(インテリアの)趣味が悪い」など
〇物件を評価するような発言をしない
⇒「日当たりが悪い」「ボロくて汚い」など
〇勝手に私物に触ったり、収納扉などを開けたりしない
〇売主様に直接、価格や値引き交渉をしない
⇒案内している不動産会社の担当者に別の場所で相談してください
〇スリッパで畳の上を歩いたり敷居を踏んだりしない
この他にも敷地内でたばこを吸わない、ごみを捨てない、勝手に荷物を置かないといった最低限のマナーも守りましょう。声の大きさなどにも注意したいですね。売主さんへの配慮を忘れないようにしてください。
内見する際、「他の人の家の中をジロジロ見るのは気が引ける」という方もいますが、マナーを守って内覧すれば大丈夫です。日当たりや風通し、壁や天井、建具の状態、水回りの様子などチェックすべきところはしっかり確認しましょう。部屋のドアや建具を開け閉めしてみたいとか、クローゼットの広さを見たいとか、サイズを図りたい、写真を撮りたい、などの場合は、売主さんに必ず一声かけるようにすると気持ちよく了承してくれると思います。
内覧中に気になることは不動産会社の担当者に確認しましょう。もしその場で分からなくても、調べて後から教えてもらえます。周辺環境や利便性、近所の住人や町内会のことなどは、実際に住んでいる人の声を聞ける機会なので、知りたいことがあれば売主さんに質問することもできます。
内見の際、菓子折りなどの心配をする方もいるかもしれませんが、手土産は不要です。マナーを守って内見し、帰る際は「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えていただけるといいですね。
今回は平均的な内見数と内見時のマナーについてお伝えしました。何件見るかより、納得のいく物件を購入することが大切です。最終的な判断をするのはご自身ですが、当社でもプロとして検討や決断に必要なアドバイスを差し上げています。しっかりご案内するのはもちろん、その後の交渉などもお任せください。