おとり広告 おとり物件に絶対にひっかからないようにしてください

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おとり広告・おとり物件というのをご存じですか?同じ不動産業界の人間として本当に恥ずかしく残念でたまらないのですが、実はこのおとり広告・おとり物件というのは結構多いのです。お客様より自社の都合のみを優先し、おとり広告を行う不動産会社はハッキリ言って悪質です。
夢のマイホームを探す皆様がひっかかることがないよう、今回はおとり広告・おとり物件についてお伝えしたいと思います。

 

おとり広告・おとり物件とは

「売る意思のない物件」や「売ることが出来ない物件」について広告を行うことを「おとり広告」、おとり広告に出ている物件を「おとり物件」「釣り物件」といいます。

・実際には存在しない架空の物件
・すでに成約していて売れない物件
・物件はあっても売る意思がない物件
・実際より良い条件を表示している物件

おとり物件の種類にはこうしたものがあり、中でも多く見かけるのが「すでに成約していて売れない物件」。売れた後もずっと不動産広告サイトなどに掲載され続けているパターンです。それから「実際よりよい条件を表示している物件」もよくあります。破格な価格や条件が書かれた貼り紙や捨て看板を見たことはありませんか?あれらもほとんどがおとり広告といっていいと思います。連絡先が携帯番号になっているのは特に注意です。

こうしたおとり物件に問い合わせると、「この物件はちょうど成約済みになってしまいました。似たような物件があるのでご案内します」とうまいこと別の物件に誘導されます。おとり物件で釣って、問い合わせや来店をさせてしまえばどうにでもなる、というのが悪質な不動産会社の考えですが、実際、促されるままその会社で物件を決めてしまう方が多いのも事実です。

こうした悪質な手法で集客することは宅地建物取引業法で禁止されていて、おとり広告は明らかな違法行為なのですが、未だにはびこっている現状があります。どちらかといえば賃貸の方が多いと思いますが、売買でも普通にありえます。

ですからまずは、インターネットの不動産情報サイトでも電柱や捨て看板の広告でも、不動産情報の中にはおとり広告・おとり物件があるということを知っておいてください。

 

おとり物件の特徴

おとり物件にはいくつかの特徴があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

1、 相場より明らかに安い

周辺の相場に比べて明らかに安い場合、おとり物件の可能性があります。不動産はこれといった理由もなく格安になることはないので、こうした物件は実在しないか、実在するなら事故物件など、何かしらワケありの物件です。疑ってかかるようにしましょう。

2、 優良物件なのに長期間にわたって掲載され続けている

誰が見ても良いと感じる物件が、売れずに残っていることはほとんどありません。注意が必要です。

3、 来店を迫る 現地集合ができない

実在しない物件の見学はできませんから、現地集合や見学を希望すると色々な理由をつけて 「一度、来社してください」と誘導されます。お店に行くと別の物件を勧められることになります。

4、 住所などの詳細な事項の記載がない

実在しない物件は確認されたら困るので詳細を書くことができません。

5、 ひとつの不動産情報サイトにしか掲載されていない 1社しか扱っていない

おとり物件は実在しなかったり、意図的に虚偽の記載をしたりするので、あちこちに掲載しない場合が多いです。また実在しない物件を他の不動産会社は扱えないので、1社しか掲載していない物件もおとり物件で良くみられます。ただし、売主が1社だけに依頼(専任媒介・専属専任媒介)しているケースもあります。

 

おとり物件にひっかからないためにはこうした特徴に注意して、相場より明らかに安い物件があったら、ワケあり物件じゃないか(告知事項ありと記載されていないか)確認したり、他の不動産情報サイトや不動産会社のホームページにないか検索するなど、注意して調べてみることをお勧めします。

その上で「おとり物件かもしれないけど、どうしても気になる」といった場合は、現地待ち合わせで見学ができるか問い合わせてみましょう。この時、「成約してしまった」「まず来店してもらっています」など、何かと理由をつけて来店を促すようなら、おとり物件と判断してきっぱりあきらめるのが大切です。「現地待ち合わせできないなら結構です」とはっきり断りましょう。「お店に行けば同じようにお得な物件を紹介してもらえるかも」と欲を出すと、悪徳不動産会社の思うツボになります。

おとり物件に釣られてある不動産会社に行ってみたら、もちろんその物件はなく、代わりの物件を次から次へと勧められ、長時間にわたってしつこい営業をされたという話も聞きますので、くれぐれもひっかからないように気を付けてください。

自分で掲載している不動産会社に問い合わせをする前に、他の不動産会社に調べてもらうこともできます。例えば、前に問い合わせたことがあって対応がよかったとか、案内してもらったことがあるとか、信頼できそうな不動産会社があれば相談してみましょう。実在する、あるいはきちんと取引ができる物件であれば、不動産業者専用のネットワークシステム(指定流通機構REINS)に登録されているため、不動産業者なら確認することができます。

いずれにしろ、おとり物件の特徴がある情報には急いで飛びつかず、慎重に判断するようにしてくださいね。

今回はおとり広告・おとり物件についてお伝えしました。おとり物件に惑わされると時間も無駄になりますし、価値観もずれて物件探しが難しくなってしまいます。そもそも、おとり広告を出すような不動産会社にまかせても、納得のいくマイホーム購入はできないと思います。今回のコラムがマイホーム探しをしている皆様に、少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

当社はご案内の際の現地集合も大歓迎です。もちろんご相談いただければ、気になる物件についても無料でお調べします。不動産のことならどんなことでも、どうぞお気軽にお問い合わせください。